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夜勤のだるさは朝食が解決!~時間栄養学から考えてみる~

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「はあ、明日は夜勤だ、、」同じ仕事をしているのに、日勤より夜勤の方が疲れるな。ということはありませんか?

この記事では、夜勤のだるさを改善する方法について紹介します。 今回のポイントは朝食です。

なぜ、朝食によって改善できるのか、その朝食の内容や、夜勤中・夜勤後の具体的な食事の内容について、時間栄養学の観点から、お話していきます。

夜勤のだるさを朝食で解決する!

夜勤はなぜしんどい?

夜勤のある仕事は、昼夜逆転する日しない日混在することで、体内時計に急激な変化が起きます。 看護師さんのお仕事を例に上げると、夜勤→休み→日勤と、1週間の中で、働く時間帯が大きく変わります。 この状態に体内時計がついていけず、睡眠と覚醒のバランスが崩れ、身体に負担をかけています。

夜勤は時差ぼけと同じ

夜勤前にしっかり寝たというのに、「まだ眠い、身体がだるい、集中力が続かない」などの経験は、夜勤経験者であれば、誰しもあるのではないかと思います。 これは、時差ぼけと同じ状態で、「自分は活動したいのに、体内時計が睡眠タイムを指している」状態のため、しっかり動きたいのに、身体がだるい状態が発生します。 ではどうすればよいのでしょうか。

 

人の体には大きく2種類の体内時計がある

夜勤でもしっかり働くためには、体内時計について理解することが大切です。 人間の体の中にはたくさんの体内時計があることが分かっていますが、今回は大きく分けて2種類の体内時計があると考えると理解しやすいです。

 主時計
一般的に体内時計といわれると、この主時計がよく知られていると思います。 目の近く(脳の視交叉上核)にあり、朝日を浴びて、体内時計を合わせ、その情報を脳時計や末梢時計に送っています。
 
 末梢時計
末梢時計はたくさんの種類があり、その中に、消化器や肝臓などの「内臓の時計」があります。 この体内時計は、朝食に同調して時計合わせをします。

夜勤などシフト制の勤務においては、主時計はどうすることもできないので、この内臓の時計にアプローチすることが大切になります。

 

夜勤のしんどさを食事で解決!

先ほどから登場している内臓の時計のポイントになるのは、朝食です。 夜勤なのに「朝食」がどのように関係するのでしょうか。

 

ポイントは朝ごはん(ブレイクファースト)

朝食といっても、朝に食べるということだけではなく、「長時間の絶食後に食べる食事」が重要です。 英語では”breakfast”といいますよね。 「絶つ空腹」と訳せるように、寝て起きた後の、最初の食事が朝食であり、この意味での朝食が夜勤には大切になります。

 

夜勤前はしっかり朝食

多くのシフトワーカーの方々は、夜勤前にたっぷり寝てから、出勤されると思います。 出勤する時間は夜ですが、たっぷり寝た後の仕事前に、しっかり食事をとる(朝食)ことで、身体を起こすことができます。 この食事をとることで、「内臓の時計」を動かし、これから活動するという準備ができます。

 

夜勤前の食事の内容

夜勤前にしっかり朝食をとるとよいことが分かりましたが、では、どんな内容の食事をとるとよいのでしょうか。

朝食は糖質とたんぱく質を含むものがよい

マウスを使った研究ではありますが、糖質とたんぱく質は、体内時計に関わるが、脂肪にはその作用がみられません。

むしろ、脂質をとりすぎると(高脂肪食)、体内時計の1日の周期を長くしてしまうとの報告もありまう。

まだ詳しいことはわかっていませんが、糖質は血糖値を上げ、インスリンを分泌することが、体内時計のリセットに関わっているという報告があります。

よって、夜勤前には、糖質とたんぱく質を意識的にとると、体内時計がリセットされ、日勤に近い状態で仕事に臨めるかもしれません。

夜勤中は食物繊維をしっかり

では、夜勤中の食事はどのようなものを食べるとよいのでしょうか。

夜勤中は、なるべく、食物繊維の多い食事を心がけるとよさそうです。 血糖値を上げすぎないようにすることがポイントなので、野菜から食べる、糖質を最後にとるなどの工夫も、血糖値を急激に上げないという点でよいと思います。

夜勤明けはブルーライトカット眼鏡をかけて、軽めの食事

夜勤明けは、「仕事が終わり、眠って、朝のサイクルに戻る」のか、「再び夜勤で働く」のか、分かれると思いますが、軽め食事がよいとされています。

眠りにつく前なので、通常のサイクルでいえば、夕食や夜食にあたります。 眠りについたあとに、しっかり朝食がとれるように軽めの食事がよいでしょう。

また、食事とは関係ありませんが、ブルーライトカットサングラスをかけて生活するとよいそうです。 昼間に休息をとることになるので、光による主時計の調整が発生しないように、夜勤後は、ブルーライトカットのサングラスをかけて生活することをお勧めします。

夜勤から日勤へ身体を戻す

夜勤から日勤へ身体を戻す場合でも朝食は重要です。

長時間睡眠をとって、今から「活動する」という前にしっかり朝食をとることで、体内時計が調整できます。

 

いかかでしょうか。

夜勤→日勤、日勤→夜勤 どちらの場合においても朝食「Breakfast」“長時間の絶食後の朝食”がとても大切であることが分かります。

夜勤の人のありがちな食事

ここまで、夜勤での食事のとり方、内容についてお話してきましたが、夜勤前後、夜勤中の食事はバランスが崩れやすいといわれています。

家庭がある方でも、家族と生活リズムが変わるため、同じ食事内容には、なりにくかったり、生活リズムが変わることで、いつもの食生活ができないようになることは想像できます。

夜勤などのシフトワーカーと日勤者との食事の研究では、エネルギー摂取量に差はないが、欠食傾向や、嗜好飲料や菓子類の摂取量が多いというレビューがあります。

エネルギー量に差はなくとも、食事の質が悪くなるということは、さまざまな健康問題が発生する可能性をもっています。

実際、日勤者より、シフトワーカーの方が虚血性心疾患(心筋梗塞、狭心症など)が多いという研究もあります。

仕事上、勤務時間は変えられない分、食事のタイミング内容を意識することは、健康上とても大切です。

すべての人にとって朝食は大事!

朝食を食べよう! と幼い頃から言われますが、長時間の絶食後の食事が身体にとっていかに大切であるか、理解いただけたかと思います。

夜勤、シフトワーカーの方に限らず、しっかり寝て(絶食時間)、しっかり朝食をとることで、体内時計を調整し、1日を活動的に始められます。

糖質制限も朝食では注意が必要

最近は、糖質制限をしている人が多く、ダイエットや健康のために炭水化物をぬくという人もおられます。

しかし、朝食においては、糖質をとって血糖値を上げ、インスリンを分泌することで体内時計を調整するという機能もあるため、必要以上に糖質制限をすることは、体内時計の調整を妨げる可能性があるかもしれません。

朝食は一日のスタートとして、活動するエネルギーを摂取する目的もあるため、活動的な1日を始めるためにも、糖質制限をする場合でも、朝食時は炭水化物をしっかり摂取するとよいのではないかと思います。

セカンドミール効果とは

朝食と関係があるセカンドミール効果とはなんでしょうか。

セカンドミール効果とは、GIの提唱者であるジェンキンス博士(トロント大学)が1982年に発表した概念です。 ジェンキンス博士は、最初にとる食事(ファーストミール)が、次にとった食事(セカンドミール)の後の血糖値にも影響をおよぼすことを、「セカンドミール効果」と定義し、提唱しています

引用:大塚製薬HPより

朝食をぬいてしまうと、昼食後の血糖値が高くなり、さらに下がりにくくなります。

朝食を抜いても昼食を食べればいつも通りというわけではなく、朝食を抜くことが、次の食後の血糖値に影響するということが分かっており、ここでも朝食の重要さが分かります。

まとめ

時間栄養学の観点から夜勤などのシフトワーカーの食事のとり方についてお話しました。

・食事によって体内時計を調整することができ、身体の負担を軽減できる可能性があること。

・夜勤前の起床後は、糖質とたんぱく質を含んだ朝食をとること

・夜勤中は血糖値を急激に上げない食事がよいこと

などがわかりました。

もちろんシフトワーカーだけでなく、多くの人にとって朝食が大切であることも改めて理解できました。

夜勤がしんどいな。 と感じている方は、夜勤前後、夜勤中の食事を意識して見直してみてはいかがでしょうか。

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